2013.12.17(火) 俺の意思だ
親父の主治医と面談。
既に寝たきりではなかった。
よたよただけど一人で歩ける。
深夜徘徊もある。
でも、
もう俺の事は分からない。
コミュニケーションも成り立たない。
今の病棟は３ヶ月くらいで出るような病棟だそうだ。
特別養護老人ホームを探してる事は伝えた。
重度の肝硬変と血便。
肝硬変は数値が16。
普通は４くらいで、
許容範囲は２〜14だそうだから、
かなり重い。
酒が原因としか思えない。
癌になる可能性が高いか、
もう癌になってる可能性があるらしい。
血便は、
本人が暴れて危険なので直腸カメラとか出来ない。
癌かもしれないし、
放射性腸炎かもしれない。
とにかく検査が出来ない。
普通病棟に移って主治医が内科医になって、
肝硬変や血便を注意深く診てもらうと、
認知症状の対応が後手に回る。
徘徊があるので、
そもそも普通病棟は難しい。
重度の精神疾患の患者が入る「閉鎖病棟」で、
精神科オンリーの主治医に診てもらうと、
肝硬変や血便などの内科的対応が後手に回りやすい。
でも肝硬変も血便も、
もはや不治の病。
認知症も不治の病。
一般病棟か自宅介護で内科的治療に重点を置くか、
閉鎖病棟で認知症を「閉じ込める」という形で面倒見てもらうか、
二者択一しかない。
決めるのは俺。
当人には判断力が既に無く、
主治医も立場上「閉じ込めませんか？」とは言えない。
俺が、
俺の意思で、
俺の判断において、
「閉鎖病棟」をお願いした。
認知症だけなら病院よりも老人ホームで福祉サービスを受けた方が幸せだろう。
病院に入院してる限りはどんな病棟であろうと、
福祉サービスを受ける事は出来ない。
だから老人ホームは探し続ける。
本人はもう、
これらの事を理解する事もない。
病棟の違いも、
病院も老人ホームも区別がつかないだろう。
閉鎖病棟で不自由な思いをしたとしても、
それは自業自得。
「そういう病棟に入って、あっという間に弱くなってしんじゃった」
というのはよく聞くパターンだけど、
それを承知で閉鎖病棟をお願いした。
もしそういうパターンになったとしても、
それが親父の寿命だ。
正直、
罪悪感はある。
でも、
もう無理。
情け容赦は誰もが不幸になるだけ。
罪悪感や批判は、
俺が一人で背負えばいい。
俺が一人で苦悩すれば、
最も全てが丸く納まるのだから。
